社交ダンスで育まれる女子の友情と成長の物語♡『踊り場にスカートが鳴る』のキャラ紹介と魅力6選【百合漫画】
※ネタバレも含みますので苦手な方はご容赦願います。
『踊り場にスカートが鳴る』は、2022年9月現在連載中の百合漫画作品です!
ダンスを踊る華麗な描写にくぎ付け。
心の移ろいを丁寧に扱っていて、百合漫画デビューさんにもおすすめの作品です。
今回の記事では、踊り場にスカートが鳴るについてたっぷり紹介していきます。
ただし、ストーリーに関する説明に一部ネタバレが含まれます。
ネタバレが苦手な方はご遠慮ください。
踊り場にスカートが鳴るとは
『踊り場にスカートが鳴る』はうたたね游先生による漫画作品です。
一迅社(いちじんしゃ)から発売の「コミック百合姫」にて、2020年8月から連載が始まり、隔月でエピソードが更新されています。
現行2巻で、1年に1巻のペースで出版されています。
連載が始まったばかりなので、いま読み始めるとリアルタイムで展開を楽しむことができますよ。
「百合姫」はPixiv百合姫やニコニコ百合姫など各所と提携しており、自分に合った媒体で『踊り場にスカートが鳴る』を購読できます。
1話と最新話は無料で配信されています!
あらすじ
女役がやりたいけれど高身長がネックの春馬ききと
男役がやりたいのに身長が足りない鳥羽見みちるの2人が繰り広げるガールミーツガール群像劇。
桜ヶ森高校に通う社交ダンス部2年の春間ききが主人公です。
彼女は、「パートナー」(女役)として踊りたいという気持ちを胸に秘め、身長が高い自分に「合う役」である「リーダー」(男役)を続けていました。
ある日、ききは幼馴染からペアの解消を告げられ、新しいパートナーを探すことになります。
可愛いものに憧れ、校舎の踊り場で一人こっそり女役を踊る春間。
そんな彼女の姿を見た小柄で華奢な1年生・みちるは「私のパートナーになってください」と言って手をとります。
作者について
『踊り場にスカートが鳴る』の作者は、うたたね游(うたたねゆう)先生です。
誕生日が10月7日であることと漫画作品以外は非公開にしている、実は謎多き人物です。
pixivでは「utatane」の名前で漫画や作品の告知などを投稿しています。
https://www.pixiv.net/users/3106373
2018年2月10日に「ピッコマ」で『ひらりふたり、花の国』を連載しており、うたたね先生が初期から持つ繊細な心理描写を見ることができます。
そのほか、
- 『サイエンスとフィクション』(2016年、まんがライフMOMO)
- 『友達の友達は友達じゃない』(2019年、ウルトラジャンプ)
- 『スミカの棲家』(2020年、月刊コミックゼノン)
を執筆しています。
公式ホームページとしてTumblrで仕事の情報を投稿しています。
Twitterでは、うたたね先生書き下ろしのイラストが見られますよ!
メインキャラの紹介
春間きき
桜ヶ丘高校に通う2年生です。
幼いころから社交ダンススクールで踊っていて、現在は高校の部活として続けています。
女役がやりたい一方身長はどんどん伸びていき、身長は172㎝に。
姉の春間灯希(ほまれ)と一宮月子のペアのように「カドリール」で女役として出場、優勝することが夢です。
かわいくてキラキラしているものすべてを持つほま姉に対して、憧れとコンプレックスを抱いています。
小さな頃は女役もしていたようですが、次第に似合わないからと諦めてしまいます。
かわいいものが好きで、自室は可愛く飾り付けられており、部屋着もフリルの可愛い装飾です。
ききは漢字で「綺希」と書きます。
名前も可愛い。
鳥羽見みちる
新入生。社交ダンススクールで、小学生の頃からダンス経験があります。
社交ダンスの経験者であることから、合歓木紫苑とペアを解消された春間ききに蟹江先輩が新しいペア候補として紹介します。
ききが、初対面で「雪の中で一輪だけ狂い咲きしたバラの花みたいな…」と思ってしまうほどにキレイな女の子です。
作品中に同級生の女子から告白されるシーンもあります。
凛とした大人っぽい雰囲気で、モテる理由もよくわかります!
男役が演りたいという意思に反し、周囲からは「かわいい」と言われることにコンプレックスを抱えている様子です。
容姿で自身を男役と決めつけるききに、「体格や容姿で決めるなんて浅はかですよ」と一蹴しちゃいます。
上級生だろうが、構わず意見するところもカッコいいです。
著者のうたたね先生も思わず「みちるさん」とさん付けしています。
合歓木紫苑
春間ききの元パートナーで、幼馴染です。社交ダンススクールで踊っていた中学の頃から、春間とペアを組んでいました。
「自分はリーダー(男形)が向いている」と言ってパートナー(女形)を諦めようとする春間が再びパートナーを目指す後押しをするために、ペア解消を切り出します。
自分の思いを告げずにいきなり「ペア解消しよう」と言い出すので、春間を驚かせてしまいます。
ペア解消後は、すぐに藤園モナと新しいペアを組みます。
モナとは「性格は合わないけれど、ダンスの相性はぴったり合う」とのことで、日に日にダンスは上達していきます。
理由を語らずにペア解消を持ち出す不器用さもありつつ、春間・鳥羽見ペアの練習風景を見て、その仲良さげな空気感に嫉妬して落ち込んだりするかわいい子です。
嫉妬をバネにモナとのダンスに励みます。
藤園モナ
合歓木紫苑のパートナーです。春間ききに代わって新しくペアを組みました。
母親がイギリス人のハーフで、バイリンガルでもあります。
「ハーフってだけで、外国語が喋れないとがっかりされるから」と必死に英語を勉強し、バイリンガルになったという経緯があります。
周りから期待されることに応える努力家です。
落ち込む紫苑にたい焼きを差し入れるなど、とても気が配れる子です。
にも関わらず、ぶっきらぼうに振る舞うところが紫苑の不器用さと似た雰囲気を持っているような気がします。
ダンスも「それなりに」という約束で組んだのに嫉妬を燃料に励む紫苑に付き合ってあげたり、鳥羽見みちるの英語の勉強に付き合ってあげたりと、優しい子です。
踊り場にスカートが鳴る6つの魅力
踊り場にスカートが鳴るを読んだことがない人にも、魅力が伝わるように、おすすめポイントを6つご紹介します!
これを読めば、すぐに読みたくなること間違いなしです。
魅力1:コンプレックスを持つ主人公
『踊り場にスカートが鳴る』では、思春期のコンプレックスが、読んでいて苦しくなるほど丁寧に描かれています。
主人公の春馬ききは、自身の好きなものと高身長な自分との「ズレ」に葛藤しています。
小学生低学年の頃の背丈は周りと大きな差はなかったので、可愛い服も抵抗なく着ることができていたきき。
高学年になると背がどんどん伸びるようになり、男子からそのことでからかわれるようになってしまいます。
いまや制服や部屋着でしか可愛いものを身につけられません。
なりたかったパートナー(女形)も、男子の身長を追い抜いたことで、諦めてしまいました。
成長して、背が高くなるほどにコンプレックスは膨らんでいきます。
しかし、春間が鳥羽見みちるとペアになってから物語が少しずつ好転していきます。
背が高くても可愛いものを身につけて良いし、パートナーだって目指して良い。
春間が自分のやりたいことに向き合う過程を楽しみに見ることができます。
魅力2:優しい絵柄
『踊り場にスカートが鳴る』は、細い線で繊細に女の子たちが描かれています。
髪の毛はふわふわ、表情は穏やかで、画面全体に温かな雰囲気が漂っています。
登場人物の細かな心情の変化を掬い上げるのにも長けています。
合歓木紫苑が春間・鳥羽見ペアに、鳥羽見みちるが春間・紫苑の関係性に…お互いに嫉妬する描写がたびたび出てきます。
その場でしゃがんで落ち込んでみせたり、じっと遠くから見つめてみたり。
シリアスになりがちな場面でも、絵柄の温かみが手伝って暗くなりすぎません。
全編通して穏やかな心持で読むことができます。
魅力3:元ペア・現ペアの嫉妬
『踊り場にスカートが鳴る』は主人公の元ペアと現ペアが嫉妬しあうシーンもたまりません。
合歓木紫苑は鳥羽見みちるに、鳥羽見は合歓木に嫉妬するシーンがあります。
画像は、1巻エピソード4のシーンを引用しました。
楽しそうに笑いあう紫苑と春間ききの2人になんだか「もやもや」してしまう鳥羽見ちゃんです。
また、春間ききが藤園モナに嫉妬する場面もあります。自分とペア解消してすぐに組んだのに、藤園・合歓木ペアはどんどんダンスが上達していきます。
幼馴染で中学の頃から踊っていた春間よりダンスの相性が良さそうに見えて、「自分のリードがダメだったのか」と落ち込み、嫉妬してしまうんです。
ほかにも、紫苑ちゃんが鳥羽見・春間ペアのダンスを見てしゃがみこむ場面なんて最高すぎます!
1ページを割いて3コマで描かれるんですが、自分の気持ちが抱えきれずその場で頽れる描写がたまりません。
それぞれお互いに嫉妬しながらも、その強い思いをダンスに昇華していくのでドロドロした感情を抱え続けることなく、とても爽やかです。
魅力4:桜ヶ丘高校のペア
主人公のほかにも、
- かにたま(蟹江・環)ペア
- 合歓木・藤園ペア
- 春間・一宮ペア
など、魅力的なペアが登場します。
かにたまペア
主人公の先輩で、昨年度の「カドリール」優勝ペアです。
蟹江は部長、環は副部長をしています。
鳥羽見みちるを春間ききに紹介したのは蟹江部長です。
しっかり者の蟹江と朗らかな環のペアは、お互いを補い合うような絡みとダンスが魅力的です。
鳥羽見が蟹江に強引に男役を申し出て部室を出ていくという場面があります。
普通であれば、シリアスになりそうなところですが、環が「つよつよじゃーん」と笑うことで空気がほぐれます。
バランサーとしてとても魅力的なキャラクターです。
合歓木・藤園ペア
主人公の幼馴染合歓木紫苑と、その同級生の藤園モナのペアです。
紫苑は「ダンスの相性は良いけど、性格の相性は良くない」と言っています。
踊るときも、視線は合っていないことが多いですね。
ただ、紫苑が落ち込んでいるときにモナがたい焼きを半分差し入れるなど、微笑みながら穏やかに話しているような場面も見られます。
ペアを組んだ当初は、それこそ相性が良くなかった2人ですが、少しずつお互いを知って歩み寄っているのかも?
春間・一宮ペア
「カドリール」の優勝者。
春間ほまれは主人公の姉で、一宮月子は現在主人公たちの顧問をしています!
2022年9月連載時点では、姉のほまれは回想シーンでしか出てきていません。
今後登場する可能性が高く、見逃せないペアです。
魅力5:セリフのないシーン
『踊り場にスカートが鳴る』はセリフのないシーンが特に魅力的です。
ダンスシーンでは、効果音やセリフがない無音で魅せる画面作りがなされています。
本作は全体的に優しいタッチですが、社交ダンスのシーンではメリハリのあるコマ配置が用いられていて、映画のような没入感を味わうことができます。
作者は、1巻あとがきで言葉を交わさないコミュニケーションについて触れています。
踊りの中で交わされる視線や所作でとるペア同士のコミュニケーションを意識したということです。
実際にたくさんのページ数をもって描き抜かれたリアリティあるダンスシーンは圧巻です。
ダンスシーンは意識的に、特に丁寧に描かれていることが分かりますよね。
また、ダンスシーンのみならず、日常シーンにおいても吹き出しや効果音のないページがいくつも存在します。表情の細やかな動きだけで、キャラクターがどんな感情を抱いているのかを想像させてくれます。
魅力6:男キャラクターの登場
『踊り場にスカートが鳴る』は男性キャラクターが登場するのが魅力なんです。
「えっ?」って思われた方もいるかもしれません。
「百合漫画なのに、男は必要なのか」ここは議論を呼ぶところではありますが、本作では男性キャラクターの登場が非常に良いスパイスになっているんです。
社交ダンス自体、男性の競技人口が減少傾向にあり、女子同士で男役の「リーダー」、女役の「パートナー」でペアを組んでいるという背景があります。
加えて舞台は女子校の社交ダンス部なので、男性が登場することはあまりないです。
しかし、主人公たちが出場する「カドリール」という大会には当然男性の選手も出場します。
「2巻エピソード6」で春間ききは、同じ社交ダンススクールに通っていたさおりちゃんと再会します。
そのペアとして、さおりの兄・尚美が出てきます。尚美も同スクールの生徒で、数少ない男キャラクターです。
四ツ葉ダンススクールでは唯一の男性であった彼は、春間ききよりも背が低いことや女子に混ざって踊っていることでからかわれることが多かったようです。
身長差のある春間・鳥羽見ペアのダンスを見て、彼が心動かされる場面は感動します。
個人的な一押しシーンや見どころ
『踊り場にスカートが鳴る』の見どころはなんと言っても、主人公ペアの成長していく姿です!
鳥羽見みちるは春間ききのダンスを見て、自分のパートナー(女形)になるよう誘います。
春間は「自分の身長が高くパートナーには向かない」とその誘いを拒みます。
しかし、小柄な鳥羽見が持つひたむきな男役への思いに惹かれ、やがて一緒に踊るようになるのです。
鳥羽見と一緒に踊ることで、春間は「高身長であっても女役をやってもいいんだ」と少しずつ自分のコンプレックスを受け入れはじめます。
2人の踊る姿は互いを解放しあうような、自由な雰囲気が感じられてとても素敵なんです!
まとめ
この記事では『踊り場にスカートが鳴る』のキャラ紹介と魅力6選を解説してきました。
『踊り場にスカートが鳴る』はインターネットで検索すれば試し読みもできますので、まだ読んだことがない方は電子書籍で読んでみることをおすすめします。
まだまだ連載は始まったばかりなので、今後の展開も楽しみで仕方ありません。
作者であるうたたね游先生のTwitterでは、キャラクターの書き下ろしイラストを公開しています。
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